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2009年06月29日

破天

週刊誌かなんかの書評で「破天」という本を知り、面白そうだなと

思って読んだら、まさにとんでもない本でした。

(とんでもないと言っても、悪い意味ではありませんよ。)

 この本は、佐々井秀嶺(ささい しゅうれい)という日本人僧の話

なのですが、この方がなんと、インドの仏教徒を率いているというの

です。

結果的に、佐々井師はアンベードカルのいわゆる新仏教運動を引き継

いだインドの仏教徒の新しい指導者ということになってしまったよう

です。


 インドはお釈迦様(ゴータマ・シッダールタ)の生まれた国であり、

仏教発祥の地であることは皆さんご存知の通りですが、13世紀初頭に

イスラム教徒の軍がベンガル地方に侵攻し、仏教の拠点である精舎を

破壊・虐殺したことによって、インド仏教は滅んだとも言われている

ので、「インドの仏教はほとんど消滅してしまった」というのが、

多くの日本人の認識ではないでしょうか。そして、これと表裏一体の

ようにして「インドはヒンドゥー教の国である。」という認識も

持っていることと思います。

 上記の表現で「消滅」というのは少し不正確で、正確には「極度に

衰退」だったらしく、細々と仏教徒は残っていたようです。ヒンドゥー

社会の中で、仏教徒がどんな暮らしをしていたか、私には想像もつきま

せんが、堂々と胸を張って幸せに暮らしていたとは思えません。


 生まれつきに拠る身分の差別は、世界中いたるところにありますが、

私の乏しい知識ではヒンドゥーのカーストが世界で最も厳しいものだと

いう認識です。

 日本でも士農工商の更に下に、穢多(えた)・非人がいたのは、知っている

人も多いかとは思います。私はたまたま、白土三平氏の「カムイ伝」という

作品が大好きで、その縁で穢多・非人という被差別民に興味を持っています。

たまたま丁度その穢多の頭(かしら)の「弾左衛門」について書かれた本を

読んでいた時にこの「破天」という本に出会ったのです。不思議な縁を感じました。


 ヒンドゥーのカーストについて、我々が学校で習うのはバラモン(ブラーフ

マナ・ブラフミン)、クシャトリヤ、ヴァイシャ、シュードラという名前ぐらいでしょうか。

この他に、上記4つに属さない不可触賎民と呼ばれる人たちがいること

を知っている日本人はどれくらいいるでしょう? 穢多・非人もそう

ですが、不可触賎民の人たちは、普通の人が嫌がる仕事に従事してい

たことも言うまでもありません。


 アンベードカルは、この不可触賎民の階層に産まれました。被差別

を辛いと思う人はたくさんいますし、黙って耐えているだけの人もた

くさんいるでしょう。しかし、彼のように、それを変えて行くための

ムーブメントを起こせる人間はごく僅かでしかありません。そして、

インドがイギリスから独立した時に、初代法務大臣として憲法草案

を作り、法律上は差別の廃止にまで、もっていったのです。

 さらに、インド独立直後、およそ50万人の不可触賎民の人々を率

いて仏教へと改宗したことで、インドにおいて仏教徒が一定の社会

的勢力として復活しました。そこで、彼のことをインド仏教の「中

興の祖」と言う言い方もできるかもしれません。(いわゆる新仏教

運動)

 彼にとって、ヒンドゥー教から仏教に改宗することと被差別から

の脱却は軌を一にすることだと思いますが、不可触賎民層を基盤と

して復活したために、仏教の基本教理とされる輪廻による因果応報

をカースト差別との関連から拒否するなど、その合理主義的な教義

が不可触民の解放運動の一環に過ぎないと指摘されたり、「アンベ

ードカル仏教」と揶揄されるような側面もあるようです。

 私個人としては、仏教における輪廻思想は、欠くべからざる項目

なので、100パーセント"アンベードカル仏教"に賛成というわけでは

ありませんが、彼に対する賞賛の念はそれとまた別のものです。それ

よりも、これだけ大きな出来事やそれをなした人物を知らなかった

(学校で習わなかった)ことに私は驚き、なんと情報は偏って伝え

られるのだろうと思いました。


posted by りらくん at 16:47| Comment(0) | りらくんのお寺むだ話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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